コミュニティ心理学研究に関する教育開発

コミュニティ心理学(CP:community psychology)の研究に関する教育開発は,プログラム評価の教育開発と同様に,社会やコミュニティの課題解決につなげられる「何か」について学ぶことを目的とするのが適している...

課題図書:学部ゼミ ※随時追加

図書 ① 岡 檀 (2013) 『生き心地の良い町』  講談社 ② クランボルツ 他(2005)『その幸運は偶然ではないんです!』 ダイヤモンド社 ③ バリー・シュワルツ(2017)『なぜ働くのか(TEDブックス)』 朝...

プログラムの開発方法の学び(メモ)

エンパワメント概念に基づいた大学生向けのプログラムの開発方法を学ぶために,3グループに分かれ,「気づく」「活かす」「役立たせる」に関するワーク(50分程度)を考え,ゼミ内でトライアル実施し,改善点等を話し合う(⇒秋学期)

ライフキャリア支援

ライフキャリア支援の理論やモデルを考えるうえで重要となるのが,キャリア支援(キャリア介入:Career Intervention)に関する考え方の変遷であろう。20世紀始めから現在に至るまでに,下記のとおりにキャリア支援...

「知覚された」効果(perceived effect)

プログラムの効果の評価(アウトカム評価)には,実験・準実験デザインをはじめとして,多数の方法やアプローチがある。これらのアプローチは,プログラムの参加者やサービスの利用者から「直接的」にデータを収集・分析し,その効果を推...

心理的エンパワメント尺度

心理的エンパワメント尺度に関する予備調査に基づいて原案を作成した。今後,エンパワメント理論の定義に沿って項目を追加し,継続的な尺度の開発と有効化(validation)を行っていく。 尺度原案は因子分析の結果,10項目で...

コミュニティ心理学リーディングリスト

Ⅰ.コミュニティ心理学の概要 「コミュニティ心理学とは」 ダルトン他(2007)pp.3-29 「コミュニティ心理学研究の在り方」 安田(印刷中) 「コミュニティ心理学とは何か」 植村(2012)pp.3-17 「再び,...

SCM

サクセスケースメソッド(SCM)¹ ²を用いた危機介入の効果に関するデータ収集の準備を継続している(共同研究)。 危機介入の対象は,某県の小学校・中学校の教員で,危機介入の成功例(サクセスケース:N=5),不成功例(ノン...

人と環境の適合(Person-Environment Fit)

人と環境の適合(Person-Environment Fit)は,コミュニティ心理学の価値基盤・中核概念と関連が深いが,いざ「個人」と「環境」の適合性を検討しようとすると,使用概念やリサーチクエスチョンの設定が難しい。 ...

「心理的エンパワメント尺度」の初期項目

尺度の開発を通して,心理的エンパワメント概念の研究を行っている。開発にあたっては,①どのような場面・社会的文脈で大学生が心理的にエンパワーされるかを,定義に沿う形で,自由記述で回答で求め,②回答を基に尺度(質問)項目を作...

ウェルビーイングの追求

コミュニティと心理学。この一見,相容れない2つの言葉から成る「コミュニティ心理学」の虜になる実践者・研究者は多い。かく言う筆者もその一人であるが,ここでは,その独自性という切り口から,コミュニティ心理学の魅力を掘り下げて...

Teaching of Evaluation

プログラム評価の学びについては継続的に検討しているが,①評価を行うにあたっての社会的文脈(コンテクスト)およびステークホルダーの分析,②費用対効果の分析,③評価の予算案の策定(i.e, budgeting)の3つのトピッ...

リーディング

Shinn, M., & Toohey, S. (2003). Community contexts of human welfare. Annual Review of Psychology, 54, 427-...

リーディング

1. Yoshikawa, H. (2006). Placing community psychology in the context of the social, health and educational sci...

プログラムの有効性

Efficacyとeffectivenessは共に「有効性」を表す用語であるため,同義的に用いられることが多い。しかし,予防科学(prevention science)の研究領域などでは両者は明確に区別されている。この違...

「インパクト理論」⇒「効果モデル」

プログラム評価領域では「インパクト」という用語が2通りに用いられている。ロジックモデルの要因において,およびインパクト理論(impact theory)においてである。 前者のロジックモデルの要因としてのインパクトである...

コミュニティ心理学の価値基盤

コミュニティ心理学における実践・教育・研究が拠って立つ価値基盤について,以前よりエンパワメント¹やコミュニティ感覚²の概念を中心にレビューしてきたが,より包括的かつスタンダードな価値基盤としては下記の7つが挙げられる(D...

Responsive Evaluation (R. Stake)

スタッフルビームによる22の評価モデル(アプローチ)の分類によると,評価研究者のステイク(R. Stake)によるクライエント中心またはレスポンシブ(responsive: 応答的)アプローチによる評価(アプローチ19)...

評価の目的と評価者の役割

「評価」の目的は,①説明責任(アカウンタビリティ)を果たすため,②プログラムの改善・質向上のため,③プログラムの価値を判断するため(後の意思決定を含むこともある),④評価を通したプログラムおよび評価方法論の研究のための計...

ベンチマーキングによるプログラムの可視化

プログラムをいかに無理なく,効率的に可視化できるかを健康づくりプログラムを事例として検討した論文。ステークホルダー(指導者・運営者)に対して,①当該プログラムを実施するにあたり何が重要であるか(重要性:significa...

効果なし(no effect)に関するリーディング

量的な評価デザイン(例:実験・準実験デザイン)によってプログラムに効果なしと判断された場合のことについて以前検討したが,より理解を深めるためのリーディングとしては下記のものがある(3編): Chen, H., &...

プログラムの効果が認められない原因

教育プログラムや社会サービスの評価において実験・準実験デザイン(例:RCT)を活用した効果検証が行われ,もし仮に,「効果なし(‟No Effects”)」という結果が出た際には,少なくとも下記の5つの原因(可能性)を検討...

なぜサクセスケースメソッドか

The Success Case Method(SCM)は,方法論としては未だ発展の余地があるが,少なくともその考え方やアプローチは従来の研修プログラムの効果測定・評価では補いきれていない部分を枠組みに組み入れている(B...

Blaming the Victim

以前にも取りあげた「Victim Blaming(犠牲者非難)」のロジックは社会プログラムの開発に関しても当てはまる: “…..logical outcome of analyzing socia...

developmental evaluation(M. パットン)

従来の評価研究は,プログラムのプロセスの評価を通した改善を目的とした『形成的評価(formative evaluation)』とプログラムのアウトカムの評価を通して効果検証を目的とした『総括的評価(summative e...

SCMによる効果の検討

学校現場(小学校・中学校)の教職員に対する危機介入(crisis intervention)の効果の検討を行うため,SCM(サクセスケースメソッド)の活用を計画。サクセスケース(介入が奏功したケース)へのインタビュープロ...

SCMにおける対象者の選定とインタビュープロトコル

SCM(サクセスケースメソッド)において,量的サーベイ(アンケート)を用いたインタビュー対象者の選定はステップ3にあたる。実際に誰をインタビューするかを決定するにあたっては,①アンケートで高得点だった人のみ(数名),②高...

リーディング

Success Case Method: Coryn, C., Schroter, D., Hanssen, C. (2009) Adding a time-series design element to the su...

22の評価モデル(D. スタッフルビーム)

  Ⅰ. 擬似評価 1. PR活動のための評価 2. 政治的にコントロールされた評価 Ⅱ.準評価 3. 評価疑問点等による目的が基本となった評価 4. 評価結果をもとに資金提供が行われるアカウンタビリティ目的の...

SCM

サクセスケースメソッド(SCM)では,プログラムの有効性(および効率性)が実施後のインタビューを通して検討される。ここでは特に,誰にどのような効果がもたらされたか(もたらされなかったか)を明らかにすることに焦点が当てられ...

ロジックモデル

ロジックモデルには合理性と矛盾点がある(合理性:あらゆるプログラムを可視化できる,矛盾点:各要因の単位ユニットが異なることがある)一方で,「アウトカム/インプット」は『有効性(effectiveness)』とされ,「アウ...

ロジックモデルの合理性と矛盾点

ロジックモデルは,プログラムを「インプット」→「アクティビティ」→「アウトプット」→「アウトカム」→「インパクト」という流れに沿って可視化するためのツールである。よって,どんなプログラムでも合理的に構造化することが出来る...

Success Case Method (SCM:サクセスケースメソッド)

インパクトモデル(類:ロジックモデル)を作成するところまでは,従来のプログラム可視化プロセスと似ている。SCMの特徴は,プログラムを実施した結果「どの参加者(利用者)に対してプログラムが効果的か」,また逆に「どの参加者(...

リーディング

Patton, M. Q. (2002). Teaching and training with Metaphors. American Journal of Evaluation, 23, 93-98. Datta, ...

アクション志向

コミュニティ心理学が依って立つ概念やアプローチは,従来の心理学とどこがどう違うのか。前述のとおり,行動の科学とされる現代の心理学では,そもそも行動の源泉となる価値(観)については議論されないのが一般的である。その意味で,...

レクチャー

本務校の法政大学キャリアデザイン学部では主に,ゼミのなかでプログラム評価の学びを取り入れているが,他大学での学部・大学院の非常勤(2016年度秋学期)では下記の通りに授業を進める予定: プログラム評価論 [心理学特殊講義...

システム変数の重要性

コミュニティ心理学では,個人をその人が置かれた環境に適応させるようなアプローチはとらない。なぜなら,ここで言う個人とは,多くの場合,問題を抱えた利用者やクライエントや社会的な弱者といった“ディスエンパワー(disempo...

コミュニティ介入

この“心理的なつながり”からコミュニティ心理学の学術体系を構築したのがS.サラソン(Sarason)である。彼はそれを心理的コミュニティ感覚(Psychological Sense of Community)と呼び,「他...

個人をエンパワーするとは

自分に合った生き方をする,つまりその人らしく生きるとはどういうことか。コミュニティ心理学では,自分自身が持つ力,つまりその人の能力(abilities)やスキル(skills)を継続的に発達・向上させ,社会に貢献していく...

You can’t empower someone

エンパワメント概念は比喩的には,魚が獲れずに困っている村の人々に対して,単に魚を与えるのではなく,自分たちで魚を獲ることが出来るように魚の釣り方を教えること。 一方,他者が人をエンパワーすることは出来ないというのがエンパ...

リーディング

read again Ryan, W. (1976). Blaming the Victim. Random House, Inc. (Vintage Books Edition) Alinsky, S. D. (197...

Empowerment

コミュニティ心理学領域においてエンパワメントは「個人・組織・コミュニティが自らの問題をコントロールするプロセスやメカニズム」(Rappaport, 1987)と定義されています。一方で,エンパワメント概念をより具体的に説...

可視化ツール

演習型のワークショップ等でプログラムを可視化する際に使用している演習ワークシートです。ご自由にご活用ください(B4あるいはA3に拡大して印刷して使用)。 LINK