EBP/BPアプローチ(メモ)
下記はエビデンスベースドとベストプラクティスの両アプローチの有効的な適用(”Best of both worlds”)のあり方について書いたものであるが,そもそも両者の成り立ち(例:医学と経営学)やサービスの対象(例:ヒトかモノ・コトか)など異なる点も多い。また一般には,最良のエビデンスに基づいて実践(プラクティス)を行うこと自体がベストプラクティスとされている。しかし,まだ学んでいる最中ではあるが,ベストプラクティス概念は,経営学におけるトヨタ方式そしてTQMという流れに至るなかで発展したものであり,保健・医療・福祉そして社会科学領域で語られる原因(介入)と結果(効果)における因果関係の証明としてのエビデンスそしてそれに基づいた実践としてのベストプラクティスとは,成立背景や考え方が異なるものである。このあたりの情報整理を特にベストプラクティスの考え方に焦点を当てて行うことが必要であると考えている。
安田節之 Educational Studies 59 117-120 2017年3月