コミュニティ心理学研究に関する教育開発
コミュニティ心理学(CP:community psychology)の研究に関する教育開発は,プログラム評価の教育開発と同様に,社会やコミュニティの課題解決につなげられる「何か」について学ぶことを目的とするのが適している。
それはアイデアであったり,理論であったり,方法論であったり,あるいは実践(アクション)のあり方であったりする。ここでは,すでに基礎レベルの調査研究法を履修していることを前提としているが,CP研究の教育開発の視点からそのような学びを考えると,下記のステップが参考になるのではと考えている:
ステップ①
『多様なコミュニティに存在する社会的な問題・課題についての現状を学習者の目線から検討する(ステップ1:社会・コミュニティ課題の検討)』
ステップ②
『検討した課題の理解や解決につなげるため,CP研究が依拠する理論を学ぶ(ステップ2:CP理論・概念の学び)』
ステップ③
『CP研究に関するレビューを行う(ステップ3:CP研究のレビュー)』
ステップ④
『課題解決などを目的としたコミュニティへの介入の視点について学ぶ(ステップ4:コミュニティ介入の視点の確認)』
ステップ⑤
『CP研究の方法論の学びの一つとして,プログラムの開発と評価に関する演習を行う(ステップ5:プログラム評価の学び)』
これらを5ステップモデルによるコミュニティ心理学研究の教育開発として検討している。
安田節之(印刷中) 『コミュニティ心理学研究の質を高める教育開発:何をどう伝えるか』 特集 コミュニティ心理学の教育実践 コミュニティ心理学研究