エンパワメント①
■ 課題文献(コミュニティ心理学の教科書,ダルトン他,2007)
「第12章 市民参加とエンパワーメント(pp. 434-447)」
■ ディスカッション課題
- 市民参加(citizen participation)の定義(p.437)にもとづくと,地域でのボランティア活動は参加ではないという。なぜか。【p.437-439】
- では市民参加とは何を指しているのか。市民参加の定義に沿って,身近な例を挙げてみる。【p.437】
- 参加は手段か目的か。手段として考える場合、目的として捉える場合の双方について確認する(ここでは特に「目的」について)。【p.439】
- 参加と競合する理念について考える。課題文献では,経済効率や予算的制約などが挙げられている。一般に,参加と効率性は相反することも多い。なぜか。具体例があると尚よい。【p.439】
- 「市民参加は,しばしば(必ずしもそうではないが)より良い決定のための実利的な手段の一つなのである。それ自身が目的として追求された場合,市民参加は他の目的との比較において犠牲を払うことになってしまうのである」(p.439)とある。参加が自己目的化してしまった場合,どのような犠牲を払うことになるか。効率性以外にどんな犠牲を払うことになるのか。【p.439】
- 逆に,参加(市民参加)における利点にはどのようなものがあるか。課題文献の例を確認しつつ,自身の例を考えてみる。【p.441】
- 「組織のメンバーは,自分たちで決定(したこと)に対して何らかの貢献をしていた場合は,決定事項の実行により力を注ぐようになる」【p.441】。その通りになったケースとそうならなかったケースの具体例はあるか。両者はどこがどう違ったのか。
- 市民参加におけるエンパワメントと俗に言う「エンパワー的」なものとの違いは何か【p.442】。
- 「エンパワーメント(エンパワメント)は,より広義でのプロセスであり,市民参加につながる,市民参加を伴う,もしくは市民参加の結果として生じる変数を含んでいる」という。それはどんな変数か(難)。【p.442-443】
- エンパワメントは多層構造をとっているが,「あるレベルでのエンパワメントが他のレベルでのエンパワメントにつながるとは限らない」とある。この点について課題文献には概念的な説明があるが,具体的にどのような例が考えられるか。【p.444】
- エンパワメントの多層構造のなかで特に,心理的エンパワメントは「個人レベルのエンパワメントのプロセスであり,行動,認知,またはその他のプロセスの変化を伴い,先に定義したエンパワメントの組織的プロセスにつながるものである」とされている。【p.444】どういう意味か。
- 多層構造の他のエンパワメントの特質(i.e., ボトムアップの観点,文脈による差異,プロセスとしてのエンパワメント,集合的文脈)について確認する。
- エンパワメントは,個人が集団を通してあらゆる資源の統制力を獲得するプロセスを伴い,ジャスティス(例:社会正義・平等),多様性の尊重などを促進することになる。一方,文脈によっては,そうにならないこともある。その際にはどのように対応すべきと考えられているか。【p.447】
メモ:エンパワメント②につづく。
「第12章 市民参加とエンパワーメント(pp. 447-475)」
※p.456 心理的エンパワーメントの要素の危機意識(critical awareness)≒批判的意識
- 心理的エンパワメントの要素の一つである「参加型コンピテンス」の12の具体的な記述について(●の部分),自分が所属するコミュニティ(身近なものなど何でも可)を例に沿って考える。【p.457-458】
- 同様に,「参加とエンパワーメントの持続」の8の具体的な記述について(●の部分),9で挙げたコミュニティに沿って考える。【p.458-459】