集中講義シラバス(2018,東京大学大学院教育学研究科)

プログラム評価論(社会教育学特殊研究)[平成30年度] シラバス

集中講義:8/28(火)・29(水) 2-5限
31(金) 2-6限
担当:安田節之(法政大学)

1. 授業の目標・概要

教育機関や企業組織そして地域には、対人援助・人材育成・組織開発・地域活性化を目的とした多種多様な実践活動が存在する。これらの活動に対して、説明責任や科学的根拠が求められる時代となっている。本授業では、様々な実践活動をプログラムとして客観的に捉え、その結果や効果を評価し、活動の質向上につなげるための方法論を学ぶ。プログラムの価値は、時に経済的指標などで捉えることが困難な個人や集団に対する教育的・心理的効果として現れることが多いため、心理的な概念や社会現象を捉えることに主眼を置いた社会調査・実験心理学・心理測定といった方法論との親和性が高い。そこでこの授業では、プログラムを客観化・可視化する手順をまず習得し、その上で、具体例を通してプログラムを実証的に評価するための方法を学ぶ。

授業のキーワード:プログラム評価,社会調査,対人援助,コミュニティ,サービス,評価,プログラム

 

2. 授業計画

第1回 イントロダクション
第2回 プログラム評価の目的と評価者・ステークホルダー
第3回 プログラムニーズの種類とアセスメントの方法
第4回 ゴールの明確化
第5回 インパクト理論
第6回 ロジックモデル
第7回 評価可能性アセスメントと評価クエスチョン
第8回 アウトカム評価の概要と評価指標の作成
第9回 実験・準実験デザインによるアウトカム評価
第10回 プログラムの導入(インプリメンテーション)評価とプロセス評価
第11回 評価アプローチ①(社会科学・理論主導、他)
第12回 評価アプローチ②(実用重視・エンパワメント、他)
第13回 評価報告書・技術報告書(テクニカルレポート)の内容と作成方法
第14回 総 括
第15回 予備日

 

3.授業の方法

講義,ディスカッション,演習(個人・グループワーク)を中心に行う。

4.成績評価方法

レポート30%、評価計画書(グループまたは個人)40%、授業参加状況30%

5.教科書

プログラム評価:対人・コミュニティ援助の質を高めるために (ワードマップ) 安田節之 新曜社,2011年

6.参考書

・Alkin, M. 『Evaluation Roots: A wider perspective of theorists’ views and influences』(2nd ed.). Sage, 2013.
・Preskill, H., & Russ-Eft, D. 『Building Evaluation Capacity: Activities for teaching and training』Sage,2016.
・安田節之・渡辺直登 『プログラム評価研究の方法』新曜社(6章・8章・9章),2008年

 

7.履修上の注意
※授業は夏季休業中の集中講義期間に実施します(8月28日, 29日, 31日)。
※すでに携わっている実践・介入活動やプログラムがあることが望ましいです。
※「プログラム評価:対人・コミュニティ援助の質を高めるために(ワードマップ)」(安田節之,新曜社,2011年)は事前に一読しておいてください。授業時に本の内容を踏まえたディスカッションを行います。

8.参考URL   https://programevaluationlab.jp/training/program-evaluation/