ライフキャリア支援
ライフキャリア支援の理論やモデルを考えるうえで重要となるのが,キャリア支援(キャリア介入:Career Intervention)に関する考え方の変遷であろう。20世紀始めから現在に至るまでに,下記のとおりにキャリア支援の在り方や焦点が移り変わってきた(Savickas et al., 2009, p. 241):
- 「個人と職業をどのようにマッチングするか」(How to match individuals and occupations?)
- 「生涯のキャリア発達に関連する因子,ステージ,プロセスはいかなるものか」(What are the factors, stages, processes of lifelong career development?)
- 「個人の自己概念を構築する因子とプロセスは何か」(What are the factors and processes of a person’s self-construction?)
- 「個人が生きる人間社会のなかでいかに自分の人生を最善のものにデザインするか」(How may individuals best design their own lives in the human society in which they live?)
またライフキャリア支援(≒ life-designing intervention)のゴールとしては,個人そして人と環境の適合において,アダプタビリティ(adaptability)などを高めることであるとしている。特にキャリア・アダプタビリティに関しては,心理的エンパワメント(psychological empowerment)概念と深くかかわっているため,今後,より理解を深めていく。
Savickas et al. (2009). Life designing: A paradigm for career construction in the 21st century. Journal of Vocational Behavior, 75, 239-250.