SCM

サクセスケースメソッド(SCM)¹ ²を用いた危機介入の効果に関するデータ収集の準備を継続している(共同研究)。
危機介入の対象は,某県の小学校・中学校の教員で,危機介入の成功例(サクセスケース:N=5),不成功例(ノンサクセスケース: N=3)についてインタビューを予定。サクセスケースは危機介入の結果,勤務が継続できたケースで,逆にノンサクセスケースは危機介入の後に,休職となってしまったケースをサンプリング。ここでの危機介入について,医療機関受診せずでの勤務継続は約50%である。

SCMでは「どのような介入を成功とするか」を定義する必要があるが,ここでは,小中学校の教員への危機介入の成功例(成功モデル)として「認知面」(例:自分を客観視できる,他人を受容できる)および「行動面」(例:生活習慣を安定させる,困った時に援助を求められる)の2つの側面から定義した。

これらの定義をもとに,①サクセスケースに対しては,自身が受けた危機介入のどこが,どのようにその後の自身の仕事(ワーク)や生活(ライフ)に奏功したと考えられるか,危機介入のどの部分がその後の仕事・生活において有用であったか(i.e., 危機介入のどの部分が活用できたか)について,②ノンサクセスケースに関しては,サクセスケースの逆で,なぜ危機介入が効果がなかったと考えらるか,危機介入はなぜ有用でなかったか(活用できなかったか),についての半構造化インタビューを行い,危機介入システムの構造化および効果の可視化を行う。

また本プロジェクトは学校現場での危機介入の効果の検討であるが,その後,産業場面における危機介入の効果の検討と介入システムの向上にも役立てる予定。