ライフキャリアの学び

臨床心理学誌の通巻100号記念号が届き,そのなかにV. フランクルに関連する論文(諸富,2017)があり思い出したのでライフ領域でのキャリア(≒人生・生き方)の説明に用いている一節をメモしておく。「生きる意味」についてである。

フランクル(V. E. Frankl)の「夜と霧」(p. 129-130) (池田香代子 訳 みずず書房)より:

ここで必要なのは,生きる意味についての問いを百八十度方向転換することだ。わたしたちが生きることからなにを期待するかではなく、むしろひたすら、生きることがわたしたちからなにを期待しているかが問題なのだ、ということを学び、・・・・(中略)・・・・生きることの意味を問うことをやめ、わたしたち自身が問いの前に立っていることを思い知るべきなのだ。生きることは日々、そして時々刻々、問いかけてくる。わたしたちはその問いに答えを迫られている。(中略)生きるとはつまり、生きることの問いに正しく答える義務、生きることが各人に課す課題を果たす義務、時々刻々の要請を充たす義務を引き受けることにほかならない。