コミュニティ心理学研究に関する教育開発②
コミュニティ心理学研究(CP研究)の教育開発におけるステップについては以前も検討したが,各ステップで考慮されるべき視点をまとめたものが下記である。
■ステップ1: 社会・コミュニティ課題の検討
視点① 当事者である個人がどのような(主に否定的な)経験をしているのか。
視点② その経験を生じさせている社会的な文脈(コンテクスト)やコミュニティは何か。
■ステップ2: CP理論・概念の学び
視点③(困難を抱える)個人の経験を捉えるためにはどのようなリサーチクエスチョンが設定できるか,そしてどのような研究アプローチが活用できるか。
■ステップ3: CP研究のレビュー
■ステップ4: コミュニティ介入の視点の確認
視点④(困難を抱える)個人の状況や環境の変化・変革(change)を促すためには,どのようなレベルでどのような援助や支援が必要か。
■ステップ5: プログラム評価の学び
視点⑤ コミュニティ介入による支援や援助をどのようにプログラムとして可視化し,そのプロセスやアウトカムをどのように評価するか。
これらのステップや視点はCP研究の教育開発を考えるうえでの枠組み・骨組み部分のみであるため,問題,CP理論,介入,評価といった各側面における具体例(事例)を検討・提示する必要がある。参考
参考:コミュニティ心理学研究の質を高めるための教育開発:何をどう伝えるか 安田節之 コミュニティ心理学研究 20(2) 174-183 2017年2月