ウェイティングリスト・コントロール・デザイン

コミュニティでの実践や介入において,RCT(ランダム化比較試験)の適用は現実的でないケースが多い。そこで”プランB”として,ベストプラクティス・アプローチの可能性を検討してきた。

一方で,RCTは一定の条件が整えば,適応が可能となる。例えば,大規模授業におけるプログラム(介入)の実施において,RCTによるプログラム評価が考えられる。より正確には,ランダム化されたウェイティングリスト・コントロール・デザイン(RWLCD:Randomized Waiting List Control Design)の適用である。手順・手続きの概要は以下の通り:

①宿題形式のプログラムを開発する。
②授業(初回)において,介入群・統制群をランダマイズして設定する(例:偶数・奇数などで)。
③すべての群に事前テストを実施する。
③介入群には宿題を提示し,統制群には次回に同じ宿題がある旨伝える。
④2回目の授業時に宿題を回収し,再度,同じテストを全員に対して実施する。
⑤前回の統制群に今度は同じ宿題を提示する。
⑥3回目の授業時に宿題を回収し,再度,同じテストを全員に対して実施する。

RWLCDは実はとてもパワフルなデザインである。前半で一度,RCTを実施し,その後,もう一度,RCTを実施し,プログラム(介入)の効果の反復(レプリケーション)を検討できるからである。