関係性のなかでのライフキャリア探索

ライフキャリアの探索や学びの基本は,いかに生きるかという「問い」への「答え」を,自己の視点はもとより,家族・友人といった集団や地域や組織などのコミュニティといった関係性のなかから見出すことであると言える。

ライフキャリア探索を人生の意味(meaning in life)の探索として捉えると,その探索は,家族・友人やコミュニティのなかでどのように行われているのか,という研究関心にたどり着く。さらにこれをリサーチャブルなものにすると,人生の意味の「探索」は,例えば,家族や友人からの「社会的サポート」とどのように関連しているのか,あるいは,コミュニティとの心理的なつながりである「コミュニティ感覚」とどのように関連があるのか,となる。

共同研究で日本語版MLQを開発しているが,この尺度は「探索(search)」と「存在(presence)」の2つの下位尺度から構成されている。存在尺度については人生満足度や自尊心などの概念との相関が高かったが,探索尺度にはそのような相関がみられなかった。人生の意味が分かっていれば,つまり自分の人生とはなにかという問いの答えが自分の中に存在していれば(be there),人生に満足していたり,自信があったりするのは,当然と言えば当然である。

一方,探索尺度との相関が認められないのは,とても興味深い。やはり人生の意味の探索において最も重要なことは,上記のとおり,様々な関係性のなかで行われるのではないか。これはあくまで仮説あるいはリサーチクエスチョンレベルでの話なので,今後は,データでこれを検証していく予定である。