SCMにおける対象者の選定とインタビュープロトコル

SCM(サクセスケースメソッド)において,量的サーベイ(アンケート)を用いたインタビュー対象者の選定はステップ3にあたる。実際に誰をインタビューするかを決定するにあたっては,①アンケートで高得点だった人のみ(数名),②高得点および低得点だった人(数名ずつ),③何らかの基準点(cut-off score)を設定し,それ以上の得点をとったグループのなかからランダムサンプリング(数名),④基準点1(高基準)以上だったグループおよび基準点2(低基準)以下だったグループからそれぞれランダムサンプリング(数名ずつ)。

サクセスケースについては,下記の5つの視点からインタビュープロトコルを作成:

  1. プログラムで学んだ知識やスキルの「何を活用し,うまくいったのか」 (例:どのように活用したか,誰と一緒に(いつ)活用したか,どのような条件のもと活用したか,プログラムのどの部分を活用したか,しなかったか,他)。
  2. 「どのような成果が得られたか」 (例:過去と現在で何が違うか,違いを示す成果指標はあるか,他)
  3. (成果とは別に)「どのような価値が得られたのか」(例:上記の成果はなぜあなたや組織によって重要なのか,組織のゴールのどこに貢献したか,他)
  4. 「何が助けになったか」(例:環境面,報酬・インセンティブの側面,上司からのサポート,他)
  5. 「提案や意見」(例:プログラムをより良くするための提案,他)

 

一方,ノン・サクセスについてのインタビューを試みる場合には,プログラムで得たものの活用にあたっての①バリアや弊害および②提案や意見についてのプロトコルを作成。

 

Brinkerhoff, R. O. (2002, p. 136, p. 142-145). The success case method: Find out quickly what’s working and what’s not. Berrett-Koehler Publishers, Inc.