EBAとBPA

ベストプラクティス・アプローチ(BPA)の研究を進めていくなかで,プログラム評価研究の基本的立場とされるエビデンスベースド・アプローチ(EBA)の内容と発展の背景を確認している。

キャンベル(D. T. Campbell)の実験社会(experimenting society)の考え方とその是非,アメリカ評価学会での因果関係の実証方法に関する有名なディベート(Claremont Debate 2004)の内容および結論などを参考に,BPAがどのようにEBAを補完できるか(つまりEBAによる実践がかなわないときにどのようにBPAを活用できるか)という点を,今後研究を進めていくうえでのイントロダクションとしてまとめている。

文献レビューを進めていくうちに,エビデンスの是非に関するディベートは,1970sから1980sの米国で始まった量的アプローチと質的アプローチに関するいわゆる”paradigm war”が2000sに入って収まった後に,第二の波として起こったものと位置づけできることが分かった(Donaldson, Christie, & Mark, 2009, p. 6)。

プログラム評価領域における質的アプローチと量的アプローチのディベートに関する参考資料があったのでメモしていく:Reichardt, C., & Rallis, S. (eds.) (1994). The Qualitative-Quantitative Debate: New perspectives. New Directions for Program Evaluation (61).

また,個人的にも両アプローチの比較を検討したことがある(LINK)。

 

安田節之(印刷中)ベストプラクティス・アプローチに基づくプログラム評価研究(1):エビデンスに基づく実践の背景から考える 生涯学習とキャリアデザイン