学部ゼミ:プログラム評価

現代社会には,ごく身近な問題からより広い社会問題まであらゆる「問題」が存在します。問題がある以上,その解決が目指されるべきでしょう。プログラム評価研究では,現代社会が抱える様々な問題の解決を目的として行われる「取り組み」(活動・支援・援助・実践)を対象として,それをプログラムという枠組みからどう可視化するのか,どのような手法を用いて効果を検証するのか,より良いプログラムにするためには何が必要か,などの問いをもとに探究していきます。

例えば,個人のキャリア形成において生じる多様な課題の解決を目的として行われる取り組みであれば,大学におけるキャリア教育プログラムや民間や自治体で行われるキャリア支援プログラムなどが考えられます。それ以外にも,教育機関・企業組織・地域コミュニティには,ありとあらゆる取り組みが存在します。自分が関心のある社会的な問題や課題に対して,それを解決するためにすでにどのようなプログラムが行われているのか,または新たな社会的ニーズを充足させるために必要となるプログラムは何であって,それを如何に効果的・効率的に実施するのかなどについて考えます。つまり,プログラムの開発・実施・評価というサイクルに基づいて,体系的に掘り下げていきます。

※「プログラム評価」はイメージしにくい部分が多いかと思います。プログラム評価とは,何らかのゴールや目的を達成するために行われる活動(=プログラム)を見える化し,その活動がどのような効果をもたらしたのかを確認する(=評価する)ことを意味します。まずプログラムについてですが,「ゴールがある活動」は,そのゴールが何であれ,すべてプログラムと呼ぶことが出来ます。その意味では,例えば,大学のサークル活動あるいは学校の運動会や地域のお祭りは,何らかの目的をもった活動と言えます。よって,プログラムという切り口から掘り下げていくことが可能となります。また「評価」と聞くと堅苦しい感じがしますが,簡単に言えば,自分たちが行っている活動(あるいは,身の回りで行われている様々な活動)が「自分も含め本当に誰かのためになっているのか(効果があるのか)」ということを「確認」することが評価となります。その確認作業を調査研究法(量的・質的)などを用いて行うのが,このゼミで学ぶプログラム評価です。