ベンチマーキング(メモ)

定義:Benchmarking is a methodology used to improve performance by finding high-performing organizations and importing their practice to the home organization (p.12)

ベンチマーキングを伝統的なもの(traditional benchmarking)と自らが提唱するベンチマーク手法(solution-driven benchmarking)とに分け,後者について主に検討した。

”課題解決・問題解決”(problem-solving)と”解決志向・解決主導”(solution-driven)のベンチマーキングの違いは,前者が問題のルーツをしっかりと分析するために時間と労力をかけるのに対して,後者の解決志向(解決主導)のベンチマーキングは,すでにその問題を解決している組織や実践(=ベストプラクティス)を探し,それを参考に自身の実践の問題解決を優先させるところである(p. 98)。単なる常識的な活動(”common sense”)としてでなく,しっかりとした方法論に基づく活動と捉えられるべきである(p. 97)。

何かを発見することは研究活動において重要であることは言うまでもないが,実践の改善やサービスの質向上を最終目的とした実践的な研究の場合には,すでにある良い(ベストな)取り組みを参考にして,それを自身の組織やプログラムの課題解決に活用するというのも意義あるアプローチである。いわゆる”Not Invented Here”問題(p. 97)も,このような改善・質向上における柔軟な思考や態度によって回避することが出来る。

Keehley, P., & Abercrombie, N. (2008). Benchmarking in the public and nonprofit sectors (2nd ed.).  Jossey-Bass, San Francisco, CA.