シンポジウム(コミ心大会 2017.7.2)

■日本コミュニティ心理学会 第20回大会(於:上智大学)
 研究委員会 企画シンポジウム 7月2日(日)13:10-14:40

コミュニティ心理学におけるプログラム評価:理論・実践・研究の方向性

司会・話題提供: 安田節之(法政大学)
話題提供: 笹尾敏明(国際基督教大学)
話題提供: 渡辺かよ子(愛知淑徳大学)
指定討論: 石盛真徳(追手門学院大学)

対人援助やコミュニティ援助を目的としたプログラム(実践・介入活動)の評価の必要性やあり方が問われるようになって久しい。このようななか,プログラム評価(program evaluation)は学術的な発展を遂げ,コミュニティ心理学はそのパイオニアとしての役割を継続的に果たしてきた。その一因として,エンパワーメントやウェルビーイングといった考え方から,予防や生態学的視座,ソーシャルチェンジといった介入モデルに至るまで,コミュニティ心理学が依拠する価値基盤が,組織・コミュニティへの介入および評価と親和性が高かったことが挙げられる。さらに心理学研究法は,相関分析であれ実験・準実験デザインであれ,プログラムの効果測定や評価に適していたため,その専門性が,プログラム評価の発展に不可欠であったとも考えられる。

本シンポジウムでは,コミュニティ心理学における研究・実践活動の”よきパートナー”と言えるプログラム評価の現状と今後のあり方を検討する。そこでまず,プログラム評価が特に心理学領域で発展した学術的・社会的背景を検討し,コミュニティ心理学が依拠する理論やアプローチがどのように貢献してきたかを考える(安田)。そして,エビデンスに基づく実践が黄金律(gold standard)とは限らないコミュニティ心理学の立場を,エンパワーメント評価などの具体例を参考に検討したうえで,コミュニティ心理学がプログラム評価の実践・研究に対して提示してきた(している)挑戦的課題について議論する(笹尾)。さらに,長期にわたり評価研究が行われているメンタリング・プログラムを実践例として,量的・質的アプローチに基づいたプログラム評価の実際について検討する(渡辺)。指定討論(石盛)では,今後もコミュニティ心理学のよきパートナーとなり続けるためのプログラム評価の実践・研究・教育の在り方を議論する。